社会福祉法人 富士育英福祉会 岩松保育園

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園長のひとりごと#15 子どもが眠るためには

2024年02月03日

 昨年の12月から今年の1月にかけて、乳児クラス対象の動画上映会を行いました。乳児の子たちはまだ十分に言葉を持っていないので、日中の出来事や園の様子を自分の口でお家の方へ伝えることが難しいです。そのため、毎年、保育士の解説付きで日頃の園での様子を収めた動画を保護者の方と鑑賞しています。上映会では、動画に沿った話だけではなく、質問や日頃の悩みなども聞いています。その中で、子どもの夜の寝つきが悪いという相談を何人かの方から受けました。乳幼児の子を持つ親としては、一度は通る悩みですね。
 子どもの寝つきの悪さには、生活リズムの乱れ、お風呂の時間など、様々な原因が考えられますが、保護者の方のお話を伺うと①気持ちよく寝る環境が整えられているか問題②睡眠に対してのプレッシャー問題の、2つの問題が大きいように感じました。
 まず、夜の寝つきに悩みを抱えているご家庭は、そもそも子どもが睡眠に入れる環境が用意されているかどうかを見直す必要があります。大人であっても、音がうるさく眩しい場所、例えばゲームセンターやショピングモールで寝ることは難しいと思います。逆に、睡眠に適した暗さ、静けさ、寝具が用意された場所で横になれば、自然と寝入ってしまうものです。子どもが寝ている横でテレビやゲームの音が鳴り響いていませんか?お部屋は適度な暗さになっていますか?まずは寝室の環境を見直してみて下さい。また、静かで落ち着いた寝る為の環境を作るには、就寝時刻の2時間程前から、子どもが刺激を受けないようにすることが大切です。寝る前に体を動かせば、身体や脳が活動モードになり、体温・心拍・血圧などが上昇してしまい入眠までに時間がかかってしまいます。寝る直前までテレビを見たり、タブレット、スマホなどの電子機器で遊んでいたりすることも、脳の興奮状態を促してしまいます。人には「日光を浴びると覚醒し、夜になると眠くなる」という睡眠のリズムがあります。暗い所にいると睡眠に誘う「メラトニン」というホルモンの分泌量が増えるため、人は夜になると眠くなりますが、スマホ、パソコン、タブレットなどから発せられる光によって、脳が「昼間だ」と錯覚すると、メラトニンの分泌量が抑制されてしまいます。すると脳が覚醒し、なかなか寝付けない、眠りが浅いなどの睡眠障害を引き起こしやすくなってしまうのです。
 そして、もう一つ大切な事は「子どもは安心、安全が保証されていると実感した時に初めて眠ることができる」という事です。子どもが寝るかどうかという所に、知らないうちにプレッシャーをかけてはいませんか?子どもは、自分に関わる大人の仕草や言葉、語調にとても敏感です。(なんとか早く寝てほしい)という大人の焦りが子どもに伝わってしまうと、ますます子どもは眠れなくなってしまいます。時間にゆとりがある休日に、子どもがあっさりと寝てしまったという経験はありませんか?大人の心の中は案外子どもに見透かされているものですし、その影響も子どもは受けやすいです。
 最後に、子どもの夜の寝つきに悩んだ時は、どうやって寝かしつけるのかではなく、どうしたらその子がほっとできて、安らげるのかを是非考えてみて下さい。細かなテクニックやポイントは様々ありますが、一番大切な事は、その子が持つ大人や環境、世界への安心感なのだと思います。

   

  園長 後藤大周

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