ふと顔を上げると、いつの間にか日差しが鋭くなっていて、気付けば四月になっていました。年度末の慌ただしさと新年度の準備に追われているうちに、季節はしっかりと先に進んでいたようです。
四月に入ってもなお、こちらは年度の切り替わりに追われていますが、子どもたちは季節と同じように、自分のペースで毎日を進めています。大人にとっては新年度や進級といった節目がありますが、子どもたちにとっては、昨日の続きが今日になっているだけなのかもしれません。
私自身、大人になってから節目の大切さを感じることも多く、その意味を子どもたちにも伝えていきたいと思っています。ただ、子どもたちにとって一番大切なのが「今この瞬間」であるならば、まずは一日一日を大切に、日々をしっかり過ごしていくことを大事にしたいとも思います。
子どもの成長は、イベントや行事の中だけにあるのではありません。「スムーズに靴の脱ぎ履きが出来たよ」とか、「今日はこんな遊びが楽しかったよ」といった日常の中にも、たくさんの成長の機会があります。子どもが感じる満足感も、決して派手で大きなものばかりではありません。「今日は一日機嫌よく過ごせたな」「誰かと楽しく話せたな」といった、ふとした場面の中にも沢山転がっています。子どもの側にいる私たち大人は、そんな瞬間を見逃さずに認めてあげたいですね。
人間の子どもは、大人のサポートがなければ生きていけない未熟な状態で生まれてきます。そんな子どもたちが、食事や排泄、着替えや遊び、コミュニケーションなど、さまざまなことを少しずつ「自分で出来る」ようになっていくことは、子どもにとってとても嬉しく誇らしいものです。
一日一日の積み重ねが、子どもたちの未来をつくっていきます。その積み重ねは一見すると地味で、見守る側にも根気が必要です。ただ、子どもが「自分で出来る」を少しずつ増やしていく姿を側で見られることは、私たち大人にとっても大きな喜びです。乳幼児期は、子育ての中でも特に大変な時期かもしれません。しかし同時に、何十年後かにきっと一番振り返る時期でもあるのではないでしょうか。今しか見られない子どもたちの姿、今しか出来ない親子の関わりも沢山あると思います。子どもは、いつか必ず親の手を離れていきます。抱っこを求めてくれる時期も、隣で一緒に歩いてくれる時期も、振り返ればあっという間なのかもしれません。だからこそ、目の前の毎日を大切にしながら、気負わず、着実に、そして楽しみながら、園とご家庭で手を取り合い、子どもたちの成長を支えていけたら嬉しいです。
p.s登降園の際は、必ずお子さんと手を繋いで歩いてください。園の外の道路は危険も多い場所です。登降園の時間帯は子どもの気持ちも揺れ動きやすく、コントロールが難しい場面もあるかと思いますが、お子さんの安全を守るためにもご協力をお願いいたします。それに、我が子と手を繋いで歩く時間も、人生の中で見ればきっとほんのわずかな、貴重な時間なのかもしれません。
園長 後藤大周





