園長のひとりごと#43 子どもを自然に

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 最近のAIの発展は凄いですね。子どもであっても、デバイスを少し操作するだけで知りたい情報を瞬時に手に取れたり、様々な擬似体験も出来ます。子ども達が大人になった将来、それらを使ってどんな世界をつくってくれるのか、今から本当に楽しみです。一方で、土の感触、虫の隠れ場所、花の匂いなどは実際に体験しなければ知ることが出来ません。自然の中で体を動かす遊びでは、その予測不能な楽しさや驚きによって感受性が磨かれます。発想力や直感力、危険を避ける危機回避能力、語彙力(コミュニケーション能力)といった生きる力も育まれます。就学前の今の時期は、デジタルを使った“擬似体験”ではなく、こういった本物に触れる“実体験”こそ必要な経験です。人としての基礎は現実社会でしか培われません。また、基礎的な判断力や経験が薄い状態でデジタル世界に触れることは、大変なリスクだと私は思います。「刃物」のように、使い方次第で便利にも危険にもなるのがデジタルです。これからの時代に必須であると言うならば、それらを使いこなせる人に子どもをしていかなくてはなりません。繰り返しになりますが、それに必要なことはデバイスを使った訓練ではなく、感情が動くような実体験を通した遊びなのです。自然は、子ども達の心が動く遊びの宝庫です。休日や天気のいい日は、是非、親子で自然に触れる遊びをしてみませんか。

  園長 後藤大周