外で遊ぶこと、自然に触れることで、人の五感はたくさん刺激されます。この五感が鍛えられることによって脳も体も成長していくので、子どもの能力を伸ばしたいのなら、五感に刺激を与える遊びをたくさんするのが1番ということですね。これはよく間違われやすいのですが、脳が育つということは単純に頭がよくなるというだけでなく、体が育つということは単純にスポーツが得意になるということだけではありません。それだけに留まらず、自由なアイデアが生まれる発想力や直感力だったり、日常の危険を避ける危機回避能力だったり、豊かな情緒や語彙力(コミュニケーション能力)のような、生きる力が育まれます。人としての鋭い感覚が養われていくという言い方が1番しっくりくるかもしれません。あれ、今挙げた例、最近の若者たちに足りていないと社会でしきりに言われている「社会性」というものではないでしょうか・・・?
最近の教育では、自然体験が軽視され、逆に、英語やプログラミング学習など、早い段階から知識を子どもに詰め込むような傾向の強まりを感じますが、感覚や感性が十分に育っていれば、知識は後からいくらでも入れることができます。
自然は本当に複雑で、理解することも難しければ自分の思い通りにすることもできません。想像の及ばない奇想天外な事が沢山起きます。しかし、何が起こるか分からないからこそ夢中になれるのだと思います。人生には思いがけないことが沢山起きますが、その思い通りにならないことに向き合える力、うまく付き合える力を持っている人は強いですね。思い通りにならないことを楽しみ、その向き合い方を学べる自然体験こそ、就学前の乳幼児期に沢山やるべきことの一つです。子どもたちが何を見て、何を感じるのかということを、これからも園では大切にしていきたいと思います。
園長 後藤大周