園長のひとりごと#30 子どもはなぜ泣くのか

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園長のひとりごと#30 子どもはなぜ泣くのか

2025年02月07日
 子どもが泣き止まない時、原因が分からず収め方も分からず、不安になることはありませんか?特に、まだ十分に言葉を持っていない、乳児さんの子をもつ保護者の方は、そんな場面も多くあるかと思います。
 しかし、子どもにとっての「泣く」は、単にネガティブなだけのものではありません。「泣く」ということは、その子が何かに困っているというネガティブな出来事がまずはあって、でも、それを何とかしたいというポジティブな気持ちを表現するプラスの行為です。なので、ネガティブなことでもありポジティブなことでもあります。ここで大事なことは「泣く」という行為の裏には必ず意味や理由があるということを、大人が忘れないことです。子どもの泣き止ませ方については、ネット上にたくさんの方法が載っていますが、ただ泣き止ませればいいということではありません。それよりも「何故、この子は泣いているんだろう?」という所に目を向けて、その理由や気持ちを考えることの方が私は大事だと思います。例え忙しい時であっても、もしかしたら、少し立ち止まって話を聞いてあげなければいけない事なのかもしれないし、大泣きをしていても、本人からするとそんなに意味は無く、サラッと一言、ただ声を掛けて欲しいだけの時もあったりします。うーん、本当に、子どもとの関わりって難しいですね。私自身、子どもとの関わりで毎回正解の一手をミスなく出そうとしていた時期がありました。でも、子どもへの理解が増せば増すほど、子どもの全てを理解することなど出来ないということを知りました。
 泣き止まない子どもを目の前にした時は、焦らず、怒らず、これはネガティブなことではなく、何かを自分に訴えてくれているポジティブな場面なんだ!と捉えること。そして、他人の心を全て理解することは難しいと自覚しながら、子どもの内面に思いを馳せていくことが大事なのだと思います。すると「何で泣いているんだろう?原因はこれかな?ん、違う?じゃあこっち?これも違うか、じゃあこっちかな?・・・おー‼︎当たった‼︎」と、子どもと確かに思いが通う嬉しい場面に出会うことが出来ます。これが、子育てをしていて本当に嬉しい、楽しい瞬間です。どんな場面も、捉え方次第で楽しみにも苦痛にも変わります。どうせなら、楽しく子どもを育てていきたいですね。また、一見大変な場面でも、そんな時こそポジティブに捉えてむしろ楽しい場面に変えていく。そんな姿を、これから大人になっていく子どもたちに背中で見せていけたらなとも思っています。


  園長 後藤大周