社会福祉法人 富士育英福祉会 岩松保育園

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園長のひとりごと#25 中秋の名月

2024年10月03日
 秋の風物詩「中秋の名月」今年は9月17日でした。富士市はあいにくの曇り空でしたが、翌日の18日には綺麗な満月が空に出ていましたね。皆さん、ご覧になりましたか?私は昔から空を眺めることが好きなので、月が出ていなくても夜空を眺めたり、雲の流れを見つめることは毎日の日課です。
 空を眺めること自体に、特に理由や意味はありません。ただ、ぼーっとしたいだけなので、言ってしまえばムダな行為ですね。しかし、この「ムダ」がなかなか侮れません。ネガティブな意味合いで使われる事が多いムダですが、プラスに働く事もあります。例えば仕事や育児でも、24時間切り詰めたムダの無い育児、仕事より、少し休んだほうが心に余裕が生まれていいアイディアが浮かんだり、子どもといい関わりができたりします。適度に、緊張感をふっと抜くことも大切です。
 デジタル化が進んだお陰で多くのムダが省かれ、私たちの生活はとても豊かになりました。本当に恵まれた時代だなと思います。しかしその一方で、世の中のギスギスした空気も最近は感じます。効率化が当たり前になった世の中で、非効率、ムダが許されない息苦しさを感じますし、まだ未熟な存在である子どもたちにも、それが要求されているような気がします。一見、大人から見ればムダな行為だったとしても、子どもたちの行為には何らかの意味があります。色んな事を試したり、確認したり、自分を落ち着かせようとしたり、言うなれば、理にかなったやり方にたどり着くためのデータ収集をしています。そう考えると、子どもの失敗にも少し寛容になれそうな気がしませんか?子どもを見守る私たち大人こそ、心にゆとりや余白を持ちたいですね。そして、そのゆとりを使って、子どもにも、他者にも、自分にも、世の中にも寛容でありたいなと思う、今日この頃です。
 ただ一つだけ、子どもがする行為にも限度はあります。やってはいけない事もあります。物事の分別が付かない子どもだからこそ、彼らに伝わる言葉で良い悪いを教えてあげることも大人の大切な役割です。

  園長 後藤大周
 

 
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