社会福祉法人 富士育英福祉会 岩松保育園

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園長のひとりごと#13 いわほランド

2023年12月27日

 秋も深まり肌寒さを感じるようになった10月下旬、毎年恒例の「いわほランド」が行われました。園舎裏手にある土手にて、ポニーの乗馬、餌やり体験、虫取り、親子で運動遊び等、秋の自然を満喫しながら目一杯身体を動かした爽快な1日となりました。
 インターネットやゲームの普及により、子どもたちが頭や体を使わなくても楽しめる、時間を潰せるコンテンツが世に溢れるようになりました。しかし、それによる弊害も出ています。特に、子どもが自然と触れ合う時間が減少していることに私たちは危機感を持っています。
 近年、情緒や理解力、身体機能を含めた発達にアンバランスさを抱える子が目立ちます。原因は様々ありますが、それらの多くは脳の働きにあると言われています。脳の働きは知能だけでなく、生命維持やこころも司っています。では、健康的な脳を作る為に何をしたらいいのでしょうか?・・・・・脳をバランスよく健やかに育てるためには「五感からの刺激」がとても大切です。そして、自然体験はこの五感を効果的に育んでくれるのです。自然の効能は偉大です。自然の中で遊ぶことによって、五感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触る)が研ぎ澄まされ、心揺さぶられる感動を経験することが出来ます。綺麗な景色を見て感動したり、鳥や虫の鳴き声に癒されたり、自分の手で植物を触って驚いたりと、自然の中で遊ぶことで様々な刺激を受け感情が動く体験が出来ます。そして、この心揺さぶられる体験こそが乳幼児期に大事なのです。
 人間の感情は五感で感じてきた情報を元に作られ、心揺さぶる感情が生きていくための行動を生み出します。楽しいことや心地よいこと、面白いこと…幼いころに五感で味わった幸せな感情を求めて行動するそうです。ですので、感動体験を多く積み重ねた子どもはたくましく生きていけるようになります。自然は実に複雑で、様々な生物や植物、木々が複雑に入り組んで出来ています。それはどんなプログラミングコードよりも複雑で精巧で、それでいて私たち人間の中に違和感なく入ってくる不思議さもあります。今回のいわほランドを通して、「タブレット端末やゲーム機がなくても子どもたちは十分遊べるんですよ‼︎」「外で身体を動かして遊ぶこと、自然に触れることが、こんなにも子どもたちの発達、将来へプラスになるんですよ‼︎」という事を伝えたかったのです。当日は「自然遊びがこんなにも子どもたちの心を揺さぶるんだ‼︎」という事を肌で感じてもらえたのではないかと思います。
 言うまでもなく、子育ての主役はお父さん、お母さんです。園行事では「こんな遊びをしてみると子どもの発達にプラスになりますよ」「こんな遊びを親子でやってみませんか」といったきっかけの提案、機会の提供が出来ればと考えています。それを受けて、お父さん、お母さんが家庭でどんな関わりを子どもとしていくのかが大切です。園の行事とは、お客様を全面的におもてなしするようなテーマパークのイベントとは少し違います。親子が主体的に楽しめて、尚且つ子育てのヒント、助けになるようなものになっていければなと思っています。今後も、保護者の皆様が我が子の成長、発達を感じ取れて、親子が一緒に楽しめるような、楽しく意味のある行事を作っていきたいと思います。温かく見守って頂ければ幸いです。

 

   園長 後藤大周

 

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