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- 根気のいる製作工程
【下造り】 沼津垣の材料は、箱根山で採れる直径1cmほどの「篠竹」である。業者から購入して、仕事はこれを1.8m(一間)の長さに切ることから始まる。切断して節をとり、袴や汚れをきれいに洗う作業を行う。 ここまでを下造り作業として、10月から1月までの篠竹の伐採時期の後に行う。竹に虫が入るのを防ぐため篠竹の伐採はこの時期に限定されている。 |
【編み込み】 下造りの終わった篠竹(このときの長さは1.8m)を16本づつ束ねて太さが均等になるようにまとめ、この一手16本を二手越しの斜め網代に編み、90cm(半間)幅で十一手176本の篠竹を使い、編んだ部分の高さが1.6mになるように仕上げていく。 1.6mという数字が、昔から編み込みの模様が最も美しく見える角度とされている。 編み込みの角度を揃えるため、作業は予め角度を表す線を書き込んだ下敷きの上で行っていく。材料の竹は直径1cm程だが節があるため、16本を束ねてもしっかりと同じ方向を向かせることはかなり難しい。 しかし、竹と竹の間に隙間が空きすぎていては、美観も耐久性も損なわれるため、ゴムバンドで固定したり、金槌の先で寄せて揃えるなど、少し編んでは全体を矯正するという作業を繰り返し根気よく続ける。 |
【仕上げ】 編み込みが終了したら垣根を立てて、笠(最上部)と押し縁(中央、下部)には真竹を使い、左右の端には焼きヒノキを用いて固定した後、設置現場まで運び据え付けする。 編み込みの作業からは会員それぞれが責任を持って作業にあたり、1.8m(一間)幅の垣根を仕上げるまで約3日間が必要となる。 製作にあたっては、沼津垣の普及を目標に、丈夫で美しいものを出来る限り安く仕上げることを目指して、使用する柱には防腐剤を煮込んだ木柱を、針金は銅線を使うといった工夫を凝らし「15年は持つ」がセールスポイントになっている。 沼津垣の製作技術には相当の努力を積み重ねており、竹を折り曲げる際には、ガスバーナーで熱して柔らかくしてから曲げれば割れが少ないなど、常に品質の向上を心掛けています。 販売価格は90cm(半間)サイズで4万8千円、1.8m(一間)サイズで7万5千円、5.4m(三間)以上は1.8m(一間)当たり7万円です。 |