社会福祉法人 大東会 神山認定こども園

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統括園長より皆様へ

2021年03月03日
子ども教育権説 ~子ども達の笑顔と輝きが地域の希望となるように~
 
                                               神山認定こども園 理事長 本﨑 肇
 
 毎日お当番さんがやってきて、私に大きな声で気持ちの良い「あいさつ」をしてくれます。4月当初は、なんとなく心もとなかったお当番さん、3学期に入り、力強く元気なあいさつに変わりました。
 その姿に、自ら考えた主体性が限りなく宿っているように思えました。
一貫研の「あいさつ運動」が子ども達の豊かな心を育てているように思います。園外保育の時も地域の皆さんに、子ども達の主体的な元気なあいさつがかけられます。地域の皆さんも笑顔でうれしそうにあいさつをかわされます。
 そのやりとりの中に、そして、子ども達の笑顔と輝きの中に、地域の皆さんが希望を見出しているように思えます。
 幼稚園部を開設して3年、なかなか自分を出せない子ども達が目につきました。しかし、そうした子ども達も自らかかわることの出来る環境を整備する中で変わっていきました。そして、豊かな心を育み自己実現を図ろうとする子どもの内在的な力の存在を強く意識するようになりました。
 信じられない程の早さで進む子どもの発達。「いったい乳幼児の教育の内容は誰が決めているのか」という思いにかられました。憲法の「教育を受ける権利」の中に、教育権の主体は誰なのかという論議があります。教育内容を決定する権限は国家にあるという「国家教育権説」と、そうではなくて国民(個々の国民=親権者)にあるのだという「国民教育権説」があります。
 しかし、私は少なくとも乳幼児期にあっては、内在する自らの発達計画の中で、子ども自身が決めているのだという、いわば「子ども教育権説」という言葉があてはまるように思います。
 マリア・モンテッソーリは「教育とは、誰かによって子どもになされるのでなく、子どもの自発的な活動によって、子ども自身が行う活動の事である。」と述べています。私達は子どもの真の姿を尊重しながら、これからも一貫研の教育に望んでいきたいと思います。

 神山認定こども園では、一貫研のグランドデザイン「豊かな心を育み、自己実現を図ろうとする富士岡っ子」と「幼児期の終りまでに育ってほしい10の姿」の具現化を目指し、さまざまな体験の場と環境を整備し、小学校へのスムーズな接続が出来るよう努めています。
 そこで、私達は次のことをよく認識し、実践することを大切に心掛けています。
  ◎ 自ら伸びようとする生命は、その遺伝子の中に組み込まれた人類共通の発達計画に基づいて、順を追って出てくる敏感期(発達課題)を持っています。
   その敏感期は、常にかかわるべき適切な環境を必要としています。そのような環境が与えられず、大人の介入の仕方が悪いと精神的エネルギーと肉体的エネルギーはバラバラとなり、そこに子どもの「はみ出しの困った現象」がいろんなタイプとなって出てくると言われています。
   モンテッソーリは、ある状況の中で、子どもが良い方向に変わっていく事実に出会い、このことの奥にある法則を突き止めました。そして「子どもが変わる」たった一つの道筋を発見しました。
   それは、子どもが自分の知性と意志で自分の体を動かし、しかも、心ゆくまでその活動に没頭したとき、自分の精神と肉体のリズムを取り戻し、自分自信をコントロールすることができ、独立心と同時に協調心のある正直な優しい子どもに変わっていくという道筋でした。
   結局、子ども達は、精神的エネルギーと肉体的エネルギーの統合という根本原則を満たすため、4つのプロセスからなる道筋を通る必要があることを見い出したのです。
 
【4つのプロセス】 
 1. 自分が自由にとりかかること
 2. やり始めたことに続けて取り組むこと
 3. そのことに全力を傾けること
 4. 以上の過程を通って、「済んだ」とか、「出来た」というほっとした表情で
   自分からやめること。その後に喜びが内面からあふれてくること。
 
 この過程を通して、一人の子どもが自分の好ましい人格を形成していくのでした。 
このアクティブラーニングの基本を、私達(神山認定こども園)は理解し、所期の目的が達成出来るよう、教育の環境や援助する技術の研究をたゆまず続けています。
 

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