社会福祉法人 富士育英福祉会 富士保育園

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園長のひとりごと#42 愛着障害の怖さ

2019年10月10日
 かつて、デンマークの哲学者キルケゴールは「死に至る病とは、絶望の事であると。」説きましたが、この時の絶望とは、神を信じらないことを意味していました。しかし現代の死に至る病とは、「愛着障害である。」と精神科医 岡田尊司氏は言います。
 特別な存在である親(または親的な人)との絆である「愛着という仕組み」がうまく働かないと、重大な支障が生じるといいます。自傷や自殺を行ったり、稼いだ金の大半を、吐くための食品を買うためや、飲み代やホスト通いに費やすのも、物や金の管理が出来ず、探し物と借金に追われ、混乱した人生に沈むのも、原因のよくわからない慢性の痛みや体の不調に苦しむのも、そこには共通する原因があり、その原因が「愛着障害」であるといいます。
 子どもは身近な人から大切にされ、愛されると「自己肯定感」が生まれます。これが獲得できれば少々の困難にも立ち向かっていけるのです。
 家で子どもが望むことをやってあげていると、外へ出た時には、親が望むことをよく聞いてくれる子どもになります。ところが、家で子どもの望むことをきちんと聞いてあげないと、子どもは外で自分の言うことを聞いてもらおうとする、言ってみれば聴衆を味方につけて普段言えないことを言っている。極端なことを言えば親に対して仕返しをしているのです。
 親が、わが子に対する愛着を持てるような援助を、これからは園でも真剣に考えなければと思うこの頃です。

 園長 後藤弘明
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