お話ししましょう

 8月の最後の日も猛暑でした。9月に入っても暑さは続くようです。それでも夕方になるといくらか凌ぎやすいと感じるのは気のせいでしょうか?
日が陰ってから吹く風を子ども達も心地よく感じているはずです。「涼しいね。」と言ってあげたらこういう事が「涼しい。」と覚えます。周りの人達の話しかけや会話は子ども達にとってうれしいものですし言葉の獲得に役立ちます。それに反してテレビやスマホからの一方通行の言葉の垂れ流しは言葉の獲得には繋がりません。言葉はとても大きな力を持っています。人と人をつないでくれるツールだったり、感情の表現や情景の表現、ときには一言に救われたり傷つけられたりもします。言葉の力を信じていれば知らない世界を想像することもできます。ドゥーラの森の子達はほとんどがまだ十分に言葉を使えません。だから教え込んでいくのではなく日頃から色々な場面で話しかけていきたいのです。 
 まだ小さいからわからないのではなく、勉強ではなく話しかけてあげて下さい。大人同士やご家族で話している場面を見せてあげてください。              
 先生が歌うわらべうたが子ども達は好きです。その心地よい歌声や正しい音程は音楽的にも優れていますが、言葉が楽しいのでしょうね。文学(言葉や物語)やわらべうたを私達に教えてくださる講師の先生は「子ども達に言葉の力を信じられる人になってほしい」といつも言われます。どんな人という話になるととても長くなってしまいますが、きっと物事を良いか悪いで決めない。100か0(ゼロ)かで決めつけない人なんだろうな。そんな人の隣に居たいなと思わせてくれる人なのだろうと思います。
                                    園長 後藤千春