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言葉
2024年12月03日
コロナ禍の不自由な生活を取り戻すかのように各イベントがにぎやかに行われるようになりました。スポーツ界でも「応援の声が聞かれるのは嬉しいです。力をもらえます。」とアスリートの方々はコメントをしています。コロナ禍は子どもの育ちにも影響を与えました。特にマスクの生活は「食べる」「話す」の発達を遅くしているように感じます。日本だけでなく世界中で言葉の獲得について危惧されているそうです。家族や保育士の先生のお口が動いて食事をする事やお話をする事を見て覚えていくのは子どもにとっては大切な学びです。言葉の獲得について言いますと赤ちゃんの時から周りで沢山話しかけられてコップに溜まった水が満杯になるとこぼれ出すように、脳に溜まっていた言葉が、ある時「ママ」 「パパ」というような言葉になって発せられますが口元が良く見られないと発音が曖昧で活舌が悪くなります。又、大人の中で生活していて自分の気持ちや欲求を表わさなくても周りが動いてしまっていると話す必要がないまま大きくなっていくことになります。自分の思いにも鈍感になって誰かの言いなりになっていくこともあります。何年か前のことですが、ドゥーラの森の子より少し大きな子でしたがなかなかお話をしない子がいて、ある時とてもこまっていました。
ジイっと私の顔を見るのですが、何もしないでいると泣きだしました。私は「困ったら助けてと言ってくれないと助けられないよ。」と伝えました。目に一杯涙を溜めて「手伝ってください。」と言えました。その子にとってはとても大きな出来事だったと思います。そして自分の思いを言葉に出来ること、特に「助けて!手伝って!」が言えることはこれからの歩んでいく人生の中でも大切ですね。
忙しくも華やかで楽しい12月をご家族でお過ごしください。
園長 後藤千春